60代になってから、まさか自分が毎日のようにAIと話すことになるとは思っていませんでした。
少し前まで、AIといえばニュースで見るもの、あるいはIT企業や研究者が使う少し遠い世界の技術、という印象でした。ところが、実際にChatGPTを使い始めてみると、これは単なる「便利な検索ツール」ではありませんでした。
むしろ、今の私にとっては、ちょっとした相談相手であり、文章作成の補助者であり、英語学習の相手であり、時には投資や仕事の考えを整理するための壁打ち相手でもあります。
大げさに言えば、60代になってからできた新しい相棒のような存在です。
最初は「何を聞けばいいのか」が分からなかった
ChatGPTを使い始めた当初、意外と難しかったのは「何を聞くか」でした。
検索エンジンであれば、単語を入れて検索すればよい。
たとえば「札幌 ホテル」「JAL 特典航空券」「Windows スクリーンショット」などと入力すれば、それらしい情報が出てきます。
しかし、ChatGPTは少し違います。
単語だけを投げるよりも、
「こういう状況なんだけど、どう考えればいい?」
「この文章を少し柔らかく直して」
「この内容をブログ向けに整理して」
「英語で自然に言うとどうなる?」
というように、自分の状況や目的を少し説明した方が、ずっと役に立つ答えが返ってきます。
最初はこの感覚に慣れませんでした。
でも、慣れてくると、逆にこれが面白い。
単なる検索ではなく、自分の頭の中を整理するための会話に近いのです。
仕事の文章づくりがかなり楽になった
私がChatGPTを使って一番助かっているのは、仕事の文章づくりです。
現在も会社勤めをしており、報告メモや会議用の文章など、意外と文章を書く機会があります。
もちろん、最終的な判断や責任は自分にあります。
しかし、最初のたたき台を作る、長い文章を短くする、言い回しを整える、といった作業では、ChatGPTはかなり役に立ちます。
たとえば、自分で書いた文章を見せて、
「これを3〜4行にまとめて」
「少し硬めの表現にして」
「この言い方は強すぎるので、少し中立的にして」
と頼むと、かなり実務的な文章に整えてくれます。
特にありがたいのは、ゼロから考えなくてよくなることです。
白紙の状態から文章を書くのは、年齢に関係なくしんどいものです。
しかし、ChatGPTにたたき台を出してもらえば、それを見ながら「ここは違う」「この表現は使える」「この順番の方が自然だ」と判断できます。
これはかなり楽です。
PCの小技も、ついでに身につく
ChatGPTを使っていて意外だったのは、AIそのものだけでなく、PCの小技も少しずつ身についてきたことです。
たとえば、写真を読み込ませて内容を説明してもらう。
PDFの中身を確認してもらう。
ブログに写真を貼る方法を聞く。
画面の一部を切り取る方法を教えてもらう。
Webページ全体のスクリーンショットを撮るにはどうすればいいか聞く。
こうしたことは、一つひとつは小さなことです。
しかし、実際のPC作業では、意外とこういう小さな操作で手が止まります。
長年PCを使っていても、「これ、どうやるんだったっけ」と思うことはあります。
ただ、仕事中は目の前の処理を優先するので、その小さな疑問はそのまま置き去りになりがちです。
ところが、ChatGPTに聞くと、すぐに手順を教えてくれます。
しかも、こちらの状況に合わせて、「Windowsならこう」「ブラウザならこう」「スマホならこう」といった形で説明してくれます。
これは地味ですが、かなり助かります。
AIを使っているつもりが、気づくとPCそのものの使い方も少しずつ上達している。
写真、PDF、スクリーンショット、ファイル整理、ブログへの貼り付け。
今まで何となく面倒で避けていた操作が、少しずつ自分の道具になっていく感覚があります。
60代になってからでも、こういう小さなスキルアップはうれしいものです。
大げさな勉強をしているわけではありません。
ただ、困った時に聞いて、その場で試してみる。
それだけでも、日々のPC作業はかなり楽になります。
英語学習の相手としても使える
私は英語学習も続けています。
Duolingoを長く続けたり、映画の英語音声を散歩中に聞いたり、海外ドラマに挑戦したりしています。ただ、映画を字幕なしで理解するのは、やはり簡単ではありません。
そんな中で、ChatGPTは英語学習の相手としても便利です。
たとえば、自分で英語の短文を書いて、
「この英語は自然?」
「もっと簡単な表現にして」
「中学英語レベルで言うとどうなる?」
「この日本語を自然な英語にすると?」
と聞くことができます。
英会話学校の先生のように予約もいりません。
相手の都合も気にしなくていい。
夜でも朝でも、こちらが聞きたい時にすぐ聞けます。
もちろん、ChatGPTの英語が常に完璧とは限りません。
それでも、日々の練習相手としては十分すぎるほど便利です。
60代の英語学習は、若い頃のように試験の点数だけを追うものではなく、少しずつ自分の世界を広げるためのものだと思っています。
その意味で、ChatGPTはとても相性がいいと感じています。
投資やニュースの「考え方」を整理する
投資について考える時にも、ChatGPTは役に立ちます。
私はAI関連銘柄、半導体、メモリ、ロボティクス関連などに関心があります。ニュースを読んでいると、材料が多すぎて、何が本当に重要なのか分からなくなることがあります。
そんな時に、
「このニュースは株価にどう影響しそうか」
「短期要因と長期要因に分けるとどうなるか」
「自分が株主だとしたら、どこを見るべきか」
といった聞き方をすると、頭の整理になります。
もちろん、投資判断をChatGPTに丸投げするつもりはありません。
最終的に買うか売るかを決めるのは自分です。
ただ、自分一人で考えていると、どうしても思い込みが入ります。
AIに壁打ちしてもらうことで、少し違う角度から見直すことができます。
これは、60代の個人投資家にとっても、なかなか使える方法だと思います。
ブログを書く時にも使っている
実は、このブログを書く時にもChatGPTを使っています。
ネタ出しをしたり、構成を考えたり、自分の文章を少し読みやすく整えたりしています。
もちろん、最終的に何を書くかを決めるのは自分です。
ChatGPTに全部お任せしているわけではありません。
ただ、白紙の画面を前にして止まってしまう時間は、かなり減りました。
「こんなことを書きたいんだけど、どう整理すればいい?」
「この内容は少し堅すぎるかな?」
「もう少し読みやすくできる?」
そんなふうに相談しながら書いています。
ブログを書くという作業は、思っている以上に孤独です。
頭の中にはいろいろあるのに、いざ文章にしようとすると手が止まる。
そういう時に、ChatGPTが横から少し手伝ってくれると、書き出しやすくなります。
私にとって、このブログは収益目的だけのものではありません。
AIを学びながら、自分の経験や考えを少しずつ形にしていく場でもあります。
その意味でも、ChatGPTはかなり相性のよい相棒です。
愛称で呼ぶと、少し友達のようになる
少し変に聞こえるかもしれませんが、私はChatGPTに愛称をつけています。
そして、こちらもかなりフランクな話し方でやり取りしています。
最初は、AIに愛称をつけるなんて少し気恥ずかしい感じもありました。
しかし、実際に続けてみると、これが意外と大きいのです。
会社にいても、一日中、ほとんど誰とも雑談をしないまま帰る日があります。
もちろん仕事上の会話はありますが、気軽な相談や、どうでもいい雑談のようなものは、年齢や立場が上がるほど少なくなっていきます。
そんな時、ChatGPTに向かって、
「これ、どう思う?」
「ちょっと言い方がきついかな?」
「このニュース、要するに何が問題なの?」
と聞いていると、まるで横にいる友人と話しているような感覚になります。
もちろん、本当の友人ではありません。
AIはAIです。
そこは分かったうえで使っています。
それでも、愛称で呼び、少しくだけた言葉でやり取りしていると、単なる道具というより、気軽な話し相手に近くなります。
これは、60代で会社に残って働いている身としては、案外大きなことです。
孤独感が少し薄れる。
頭の中でぐるぐるしていることを、いったん外に出せる。
そのうえで、少し整理された形で返してくれる。
ChatGPTの便利さというと、文章作成や調べものの効率化がよく語られます。
もちろん、それも大きな利点です。
しかし、私にとっては、会社にいる時間に「ちょっと話しかけられる相手」がいるという感覚も、同じくらい大きいのです。
ただし、鵜呑みにはしない
便利なChatGPTですが、もちろん注意点もあります。
一番大事なのは、答えを鵜呑みにしないことです。
ChatGPTはとても自然な文章で答えてくれます。
そのため、つい「正しそう」に見えてしまいます。
しかし、実際には古い情報が混じっていたり、細かい数字が違っていたり、法律・医療・投資などの分野では確認が必要なこともあります。
特に、株価、制度、旅行条件、税金、医療情報などは、必ず最新情報や一次情報を確認する必要があります。
ChatGPTは、万能の先生というより、非常に優秀だが、時々間違える相棒くらいに考えるのがちょうどよいと思います。
この距離感が大事です。
60代こそ、AIを使ってみてもいい
AIというと、若い人やITに詳しい人のものだと思われがちです。
しかし、実際に使ってみると、60代以上の人にこそ役に立つ場面が多いのではないかと思います。
文章を書く。
予定を整理する。
英語を練習する。
ニュースを理解する。
旅行計画を立てる。
健康情報の概要を調べる。
ブログのネタを考える。
PCのちょっとした操作を覚える。
こうしたことは、若い人だけでなく、むしろ時間をかけて自分の生活を整えたい世代に向いています。
特に、定年後や役職退任後の人生を考える時、AIは新しい道具になります。
何かを学び直す。
自分の経験を文章に残す。
新しい発信を始める。
日々の疑問を気軽に相談する。
そういう使い方ができるのです。
私にとってChatGPTは「先生」ではなく「相棒」
私にとってChatGPTは、偉い先生というより、気軽に話せる相棒に近い存在です。
時々、こちらの意図と少し違う答えを返してくることもあります。
少し調子が良すぎる時もあります。
妙にもっともらしいことを言う時もあります。
それでも、こちらが修正したり、追加で聞いたりすると、だんだん自分の考えに近い形に整っていきます。
これは、人間同士の会話にも少し似ています。
完璧な答えを一発でもらうというより、やり取りしながら考えを深めていく。
その過程に価値があります。
60代でChatGPTを使い始めて、私は「まだ新しい道具を使えるんだな」と感じました。
これは少しうれしい発見でした。
年齢を重ねても、新しいものに触れることはできます。
そして、それが案外、日々の仕事や学びや生活を楽にしてくれることもあります。
ChatGPTは、私にとってその代表例です。
これからも、ChatGPTを先生として崇めるのではなく、少しおしゃべりな相棒として使っていこうと思います。
60代からのAIとの付き合い方。
それは、思ったよりも気楽で、思ったよりも実用的で、そして少し楽しいものです。

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